相続に強い弁護士を選ぶ際のポイント
1 相続に強い弁護士を見分けるためのポイントについて
相続に関する手続きや問題解決について、相談や依頼をするべき弁護士を選ぶ際のポイントは2つあります。
1つは、相続に関する事件を集中的・重点的に取り扱い、多くの解決実績があるかという点です。
もう1つは、相続に関連する税の知識や経験も有しており、適切なアドバイスや対応ができるかという点です。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 相続に関する事件を集中的・重点的に取り扱っているか
法律には、とても多数の分野が存在しています。
ひとりの弁護士が、複数の法律分野に渡る事件を取り扱うこと自体は可能ではあるものの、あらゆる分野に精通するということは現実的には困難であると言わざるを得ません。
特に相続は、相続人や受遺者の人間関係や、財産の調査・評価、金融機関や法務局などでの相続手続き、税金のことなど、考慮・検討するべき事項が非常に多岐に渡る分野です。
そのため、相続は、例外的なケースを含めた様々な事件対応の経験を有する弁護士でないと、網羅的な対応が難しい分野でもあるといえます。
このことから、相続に強い弁護士を探す際には、相続に関する事件の解決実績に着目するとよいでしょう。
3 相続に関連する税の知識や経験も有しているか
相続と税は密接な関係にあります。
相続財産が一定の評価額を上回る場合には相続税が発生しますし、相続財産である不動産や有価証券を売却した場合には所得税が発生します。
遺産分割の仕方によって相続税の税額が大きく変わることもあるため、遺産分割協議を行う際には、相続人に生じる相続税の負担も考慮したうえで分割方針を検討する必要があります。
また、相続税の申告・納税期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月ですので、遺産分割が長引いている場合には一旦未分割申告をするなどの判断も必要となります。
相続財産を売却した際には、所得税の計算も必要となります。
相続税の納税資金を確保するために相続財産を売却する場合は、急を要する話でもあるので、所得税のことも短期間で検討しなければなりません。
このようなことから、相続に関する相談や依頼をする際には、税に精通しているか、できれば税理士資格も持ち、相続に関する税申告を取り扱ったことがある弁護士を選ぶことも大切であるといえます。